ワシリー・ブラント

　カール・ヴィルヘルム・ブラント Karl Wilhelm (Vassily Georgievich) Brandt (1869–1923)は、ロシアのトランペット奏者、教育学者、作曲家です。
1890年、国立アカデミー・ボリショイ劇場の首席トランペット奏者、1903年に第一コルネット奏者となっています。
　1900年、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院のテオドール・リヒター Theodor Richter(1826–1901)教授の後任として、トランペットの教授となり、吹奏楽の編曲についても教えています。ブラントは、ロシアのトランペット教育の創設者とされています。彼の「34のオーケストラ用練習曲集」は現代のトランペット奏者には大切な教材です。彼のトランペットとピアノの為の2つの演奏会用小品は、広く演奏されています。
　1912年、ブラントは、サラトフ音楽院の教授陣に加わっています。彼の生徒のピョートル・リアミン Pyotr Lyamin (1884–1968)は、サラトフ音楽院の教授としてブラントの後継者となっています。また、パヴェル・クロチコフ Pavel Klochkov (1884–1966)は、ロシアの初期の録音技術者となっています。ウラディミール・ドラッカー Vladimir Drucker (1898–1974)は、ロスアンジェルス交響楽団 Los Angeles Philharmonicの首席トランペット奏者となっています。そして、ミカエル・タバコフ Mikhail Tabakov (1877–1956)は、国立モスクワ音楽院の教授となっています。